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【弁護士コラム】そのリボ払い、元金は減っていますか? クレジットカードの隠れた借金と、人生再建の重要性
「借金」と聞くと、アコムやアイフルといった消費者金融からの借入れをイメージされる方が多いかもしれません。しかし、実際には、私たちが日常的に使っているクレジットカードの「リボ払い」によって、意図せず過大な借金を負ってしまっているケースが非常に増えています。
┃ 「返済しているつもり」が危険信号
リボ払い(リボルビング払い)は、利用金額にかかわらず、毎月の支払額がほぼ一定になる便利な支払い方法です。しかし、ここに大きな落とし穴があります。
毎月1万円を返済していても、その多くが高い利息(手数料)の支払いに充てられ、肝心の「元金」がほとんど減っていない、という事態が起こりがちなのです。
<Aさんの実例:20代・会社員> Aさんは、洋服や友人との交際費でクレジットカードのリボ払いをよく利用していました。毎月の支払いは1万5千円で固定。「無理なく返済できている」と思っていましたが、気づけば利用残高(元金)は150万円に膨れ上がっていました。明細を確認すると、毎月の返済1万5千円のうち、1万円以上が利息で、元金は5千円も減っていません。このままでは完済までに何十年もかかると知り、愕然としました。
<Bさんの実例:40代・主婦> Bさんは、日々の食費や子供の塾代など、少し足りない生活費をリボ払いで補っていました。「すぐに返せるはず」と思っていましたが、利用残高は雪だるま式に増え、気づけば200万円を超えていました。毎月の返済額は3万円。しかし、その大半は利息の支払いで消えていき、元金は一向に減りません。返済のために別のカードでリボ払いを利用する「自転車操業」の状態に陥っていました。
AさんやBさんのような状況は、決して他人事ではありません。リボ払いは、その便利さと引き換えに、毎月の返済の多くが利息に消えていく仕組みです。
昨今は社会保険料などの負担も増え、皆様が大変な思いをして稼いだ「手取り」は本当に貴重なものです。その貴重なお金を、元金がなかなか減らない利息の支払いに注ぎ込み続けることは、経済的に極めて不合理であり、当事務所では**「現代の奴隷契約」**に近いものだと考えています。その不合理さに、一刻も早く気づいていただきたいのです。
┃ 借金を整理し、将来の「貯蓄」へ
返済だと思っていたお金が実は利息の支払いでしかなかった、という状況は「リボ地獄」とも呼ばれます。この状態を放置することは、将来のために貯蓄したり、投資したりする貴重な機会を失い続けることを意味します。
大切なのは、現状を直視することです。当事務所では、**「借金の整理は早すぎるほど早く行え」**と強くお伝えしています。利息の支払いを一日でも早く止め、その貴重な資金を、ご自身の「幸せで豊かな生活」のための貯蓄や将来への投資に回すこと。そのための法的な手続きが「債務整理」です。
┃ 「自己破産」は失敗のリセット
債務整理には任意整理、個人再生、自己破産などいくつかの方法がありますが、特に「自己破産」という言葉に強い抵抗感を抱く方が少なくありません。
しかし、自己破産は決して人生の終わりではありません。むしろ、借金によって身動きが取れなくなった人が、その失敗を法的にリセットし、新しい生活を(原則として資産ゼロから)再スタートするために国が認めた、れっきとした「権利」です。
経済的な失敗は誰にでも起こり得ます。大切なのは、失敗を反省し、同じ過ちを繰り返さず、再スタートを切ることです。自己破産は、そのための強力なチャンスを与えてくれる制度なのです。
┃ ネットの情報より「裁判所」の公式情報を
最近は、インターネットで自己破産について検索すると、「戸籍に載る」「選挙権がなくなる」「家族に知られずに手続きは不可能」といった、不正確な情報や過度に不安を煽る情報が溢れています。
こうした情報に惑わされず、正確な知識を得ることが重要です。最も信頼できる情報源の一つは、各地の「裁判所」のホームページです。裁判所は、自己破産を含む債務整理手続きに関する公式なパンファイルや説明資料を公開しています。これらをしっかり読み込むことで、制度の正しい理解につながります。
https://www.courts.go.jp/vc-files/courts/file2/202202.leaf-hasan.pdf
もし、あなたが「リボ払いの元金が全然減らない」「返済のために借入れをしている」という状況にあるなら、それは危険なサインです。
当事務所は、リボ払いをはじめとする借金問題の不合理さから一人でも多くの方が解放され、相談者・依頼者の皆様が**「幸せで豊かな生活」**を取り戻すためのお手伝いをしたいと心から願っています。手遅れになる前に、まずは弁護士にご相談ください。現状を正確に把握し、あなたにとって最善の解決策を一緒に見つけることが、新しい生活への第一歩となります。