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2018.02.15 離婚・不倫

性格や価値観の不一致で離婚できますか?[相手方が離婚に応じてくれない場合にとるべき方法]

 

二回目のコラムは離婚に関する内容です。
なかなか人に相談できず、お一人で悩まれている方が多くいらっしゃいます。

協議離婚とは?

日本では、協議離婚という方法が認められていますので、性格や価値観が合わないことから夫婦関係がうまくいかなくなった場合に、話し合いで離婚することが合意できれば、役所に離婚届を提出することで問題なく離婚することができます。
それでは、離婚をしたいけれども、話し合いで離婚ができない場合には、どのようにしたらよいのでしょうか。

裁判で認められる離婚原因とは(民法770条1項)

民法は、裁判で離婚が認められるための離婚原因として、以下の5つの事由を挙げています。

①配偶者に不貞行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき

性格や価値観が合わないということは、⑤のうちの一つの事情として取り扱われます。
モラハラ、暴言・暴力、浪費、家事をしないといった事情もこの⑤の一つの事情です。

①から④は、夫婦関係が破綻したことを表すものとして挙げられています。
⑤の「婚姻を継続しがたい重大な事由」も、上記①~④に匹敵するほどに婚姻関係を継続できないような事由でなければならないとされています。

性格や価値観が合わないということは、どの夫婦でも多少なりともあることですので、程度の差こそあれ、それだけで直ちに離婚が認められる可能性は一般的には高くないといえます(ただし、事案にもよります。)したがって、他の様々な事情を併せて主張していくことが必要です。

その中でも、裁判所が意識している事情は、別居期間です。
なぜなら、別居期間は、客観的に夫婦関係が破綻に近づいていることを示す物差しになるからです。

現在では、3年程度の別居期間があれば、離婚が認められやすくなってきているといわれています。(これも他の諸事情により異なってきます)

とるべき手続きについて

上では、5つの離婚原因について述べてきましたが、この離婚原因というものは、裁判の時に裁判所が離婚請求を認めてくれるための要件です。
それでは、相手が離婚してくれない場合には、すぐに裁判を起こすことになるのかというと、そうではありません。

法律上、裁判を起こす前に、調停を申立てなければならないと決まっているのです。

調停とは?

調停とは、簡単にいうと、裁判所を通した話し合いです。裁判では勝ち負けを決めるのに対して、調停は話し合いでなるべく円満に解決しようというものです。
調停は裁判と異なり、当事者が事実を証明して、裁判官がそれを判断するというわけではありません。

調停は、裁判所の調停室に、夫婦が交互に入り、一般人から選ばれた男女の調停員に対して話をして離婚協議を進めていきます。この調停でも折り合いがつかなければ、裁判ということになり、離婚原因を証明できるかの問題になるのです。

もっとも、調停の場でも、裁判を見越したときに離婚原因が認められる可能性が高いかどうかで、交渉のパワーバランスが変わってきます。
たとえば、不貞行為(浮気)の証拠を持っていれば、裁判に行けば勝つことができますので、調停でも離婚ができることが前提で話をすることができるでしょう。
逆に、不貞行為をした側(これを有責配偶者といいます。)からの離婚請求は認めないというのが判例ですので、不貞行為をした側は、なんとか相手方に離婚してもらおうと、財産分与などの条件面において、譲歩を強いられてしまいます。

性格や価値観の不一致を主な離婚原因とする場合には、別居期間が長くならなければ、離婚原因が強くなく、裁判に行っても勝てない可能性が高いといえます。
そこで、調停で条件を譲歩して相手が同意してもらうか、別居期間を稼いで裁判を起こすしかないといえます。

弁護士に相談することで・・・

それでは、性格や価値観の不一致を理由に離婚したいけど、相手方が応じてくれないときは、別居期間が長くなければ結局弁護士に相談しても無駄なのかというと、そうではありません。

一概に性格や価値観の不一致といっても、その夫婦によっても状況が全く異なりますし、お話をお伺いする中で、他にも離婚原因として強く主張できるような事情が隠れているかもしれません。弁護士は、このようなことを細かく聞き取ります。
また、今すぐに離婚が難しいとしても、新しい証拠獲得や、別居のために準備することなどについてアドバイスができるかもしれません。

よりよい条件で離婚をするためには、法的な観点から見通しを立てておくことが非常に大切だといえます。

福岡西法律事務所の弁護士は、皆様の離婚に関する相談について、真剣に向き合い、アドバイスさせていただきます。
相談料も何度来ていただいても30分2,160円(税込)となっていますので、お気軽にご相談ください。

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