Xは、インターネットで求人募集について広告掲載から3週間無料との内容を目にしたため、電話で問い合わせをしたところ、FAXで申込書が送られてきたことから、業者の言われるとおりに記入してFAXした。
3週間が経過したところ、業者から連絡があり、3週間経過したので、12万円の広告料が発生する、解約したいのであれば、未払費用を支払わなければならないと言われた。
申込書をよくみると、赤字で「3週間経過後には自動更新となります」との記載があった。
よく見れば気がついたのだと思うが、説明もなかったし、わからなかった。
広告の申し込みをしたのは、Xであること、確かに3週間経過後に自動更新とうたわれていること、などから書面上の契約が成立したのであれば、広告料を支払わなければならない。
契約が有効に成立したといえるのかが問題となる。
契約が成立するためには、申込と承諾の意思表示が合致していることが必要である。
ところが、本件においては、Xが内容を理解していないため、意思表示が合致しているとはいえない。
民法95条は、錯誤があった場合には、契約を取り消すことができると規定されている。
他方で、表意者に重大な過失があった場合には錯誤による取り消しを主張することができないとされている。
錯誤取り消しを主張できるかが問題となる。
弁護士が介入することなく、本人名義の文書を弁護士が作成して、業者に送付したところ、業者からの請求がなくなった。
請求金額が12万円であることを考えると、
弁護士が介入することは、コストがかかるため躊躇された。
そこで、弁護士が5500円から11000円程度の費用で文書を作成し、本人から送付することで様子をみようということになった。
通知後反応はなく、無事解決できた。